一般で受けた青山も明治も、既にセンター利用で合格していたので、結果がわかっても特に何も感じませんでした。
学習院もとっくに合格発表で合格を確認していました。
それより何より重要だったのが早稲田の結果でした。
試験がすべて終わり、一休みしているうちに結果が知りたくてたまらなくなってきました。
1年をこの試験に賭けたのです。当然です。
結果から書きます。
教育 合格
政経 不合格
商 合格
社学 合格
ついに早稲田に合格できたのです。
電話で合格していた事を確認できた瞬間、自分の体の中一気に熱くなるのを感じ、電話を切った後、しばらく泣いてしまいました。
私には今まで自分の努力が報われるという経験がありませんでしたし、これといって努力した経験もありませんでした。
中学の頃の合唱コンクールで1位だった時、負けた時、部活での先輩の引退試合、卒業式・・・涙を流していた周りの生徒の気持ちが全くわからなかった。
どうして泣けるのだ?
それは私が積極的な協力も努力もしていなかったからでした。
しかし合格の発表の結果を知った時、私はなにもかもが理解できました。
私は初めて努力をして、初めてその努力が報われて、泣いていました。
看板の政経に落ちてしまったのはカッコ悪かったなぁ、と思いつつも
今まで生きてきた中で一番自分をカッコいいと、何の引け目も無く思えました。
しかし嬉しかったのと同時に、ふと考えたら悲しかった。
合格を知らせたり、喜んでくれる友が1人もいなかった事が悲しかったのです。
この時気付きました。私は0から始め、合格して100になったのではないのです。
マイナスから初めてやっと0に、スタート地点に立てたのです。
学校を辞めてからというもの、いやそれ以前から、私は人と関わる事を避け、たくさんの事から逃げてきました。
しかスタート地点に立ったからにはもう逃げられないのです。
私はこの時、子供からすこし大人になれたのです。
これで私の体験記を終わります。

